林田力『二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害』は二子玉川ライズの住環境破壊と住民反対運動を取り上げたノンフィクションのシリーズの一冊である。『二子玉川ライズ反対運動』シリーズでは再開発による街壊しの実態や二子玉川ライズ反対運動の動き、住民運動に何が可能なのかを明らかにしてきた。『二子玉川ライズ反対運動9』では東急不動産による新たなマンション・ブランズ二子玉川による複合被害を取り上げる。世田谷区玉川の住民は既に超高層ビルを乱立させる二子玉川ライズによってビル風や日照阻害などの住環境破壊に苦しめられている。そこに東急不動産が新たな高層マンション・ブランズ二子玉川を建設すれば複合被害が生じることが容易に予想できる。二子玉川ライズ反対運動は世田谷区政や東京都政を見据えて活動領域を広げてきた。『二子玉川ライズ反対運動』シリーズも狭義の二子玉川ライズ反対にとどまるつもりはない。もともと二子玉川ライズ問題に関心を抱いた契機は東急不動産だまし売り裁判であった(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』「勝訴の影響」)。『二子玉川ライズ反対運動9』では保育問題や脱原発運動、書評やレビューなど様々なテーマの文章を収録した。二子玉川ライズは疑問符だらけの再開発である。二子玉川ライズに賛成するか反対するかは利潤の追求か公共性の重視かという問題である。二子玉川ライズには公共性も公益性も存在しない。二子玉川ライズの実態は一私企業である東急電鉄・東急不動産の営利事業である。新築マンション分譲(二子玉川ライズ・タワー&レジデンス)や商業施設(二子玉川ライズ・ショッピングセンター)・賃貸オフィス(二子玉川ライズ・オフィス)運営は純然たる営利事業である。そのような営利事業に対して世田谷区や東京都が莫大な補助金を出すことが批判される。東急電鉄・東急不動産の営利事業を税金で補助しなければならない理由はない。二子玉川ライズ反対運動は単なる感情的な反発などではなく、十分な合理性を有する。東京都や世田谷区に求められる産業政策は、東急電鉄・東急不動産に偏重した大型開発によって生じる歪みを是正し、住民や地域の活性化につながる施策を講じることである。【書名】二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害/フタコタマガワライズハンタイウンドウ キュウ ブランズフタコタマガワノフクゴウヒガイ/Opposition Movement Against FUTAKOTAMAGAWA Rise 9 Compound Damage by BRANZ FUTAKOTAMAGAWA【著者】林田力/ハヤシダリキ/Hayashida Riki【既刊】『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』『東急不動産だまし売り裁判購入編』『東急不動産だまし売り裁判2リバブル編』『東急不動産だまし売り裁判3』『東急不動産だまし売り裁判4渋谷東急プラザの協議』『東急大井町線高架下立ち退き』『裏事件レポート』『東急不動産係長脅迫電話逮捕事件』『東急コミュニティー解約記』『二子玉川ライズ反対運動1』『二子玉川ライズ反対運動2』『二子玉川ライズ反対運動3』『二子玉川ライズ反対運動4』『二子玉川ライズ反対運動5』『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』『二子玉川ライズ反対運動7』『二子玉川ライズ反対運動8』ブランズ二子玉川の複合被害二子玉川ライズ行政訴訟控訴審第3回口頭弁論二子玉川ライズはグリーンウオッシュ二子玉川ライズは誇大妄想の産物二子玉川ライズもアイスで転倒の危険二子玉川ライズ行政訴訟と北総線運賃訴訟乗客無視の再開発で東急東横線渋谷駅の不便東急電鉄社員が東急田園都市線で痴漢東急不動産脅迫電話と東急電鉄痴漢東急電鉄駅員の暴力事件東急建設でクレーン転倒事故等々力2丁目コインパーキング建設反対運動北区補助81号線が一部撤回開発問題の意義保育問題への一視点板橋区『おかあさん、どこ』配布抗議原発都民投票の意義質屋銀蔵セクハラ事件が東京高裁で原告逆転勝訴北本中学校いじめ自殺裁判高裁判決さようなら原発成増・赤塚パレード亀戸ホコ天大宣伝行動『不当判決糾弾』大飯原発と開発問題『不当逮捕』警察の腐敗『高層難民』高層マンションは外部不経済『日本のすがた2013』住宅政策を考える『活断層』開発は百害あって一利なし『千利休の謀略』豊臣秀吉の卑小『大統領候補の犯罪』セレブの貧困『人形パズル』米国社会の精神風俗『魔使いの運命』闇との緊張関係『スター・ウォーズ 統合』ヴォングとの戦いが完結『冬の生贄』福祉国家の豊かさと闇『マリーアントワネットの遺言』ブラック士業『詩集 地球の上で』戦争体験の大きさ『シドウ 最後の晩餐料理人』悪徳不動産業者への復讐『絶園のテンペスト』復讐と魔法『烈!!! 伊達先パイ』ヤンキー風がマイナスに『ONE PIECE 69』脱法ハーブへの警鐘『機動戦士ガンダムUC』連邦の腐敗『信長のシェフ』ヤンキー風ヒロインが唯一残念『女信長』小説らしさとドラマらしさ